イングルヌックの伝説は、1879年フィンランド人であるグスタフ・ニーバムが、ヨーロッパの一流ワイナリーのライバルになるようなワイナリーを作るために、ナパ・ヴァレーのラザフォードを訪れたところから始まりました。彼は船長でもありワインの専門家でもあり起業家でもあるという人物でした。

ニーバムの大甥であるジョン・ダニエル・ジュニアが、シャトーと畑を継いだ1930年代、当時イングルヌックは既に世界的にも評価され、かの1941年のヴィンテージは伝説のワインとなりました。

フランシスとエレノア・コッポラ夫妻が1975年にシャトーを購入し、その後40年もの歳月を掛けて切り売りされていた畑を買い戻し続けました。そして、醸造オペレーションもシャトーに戻し、著名なワイン・コンサルタントであるステファン・デュルノンクールとイングルヌック取締役社長兼醸造家フィリップ・バスコールの2人の力によって、イングルヌックの輝かしい遺産を再興させました。このワイナリーの歴史的な意義に敬意を表して、ワイナリーの名前の「イングルヌック」も復活させることになったのです。