オーナー醸造家のグラハム・タトーマーは、わずか16歳の時から地元サンタ・バーバラでワイナリーの仕事に携わり、カリフォルニアで最も古いとされるサンタ・リタ・ヒルズのLafond Vineyardのリースリングの古樹に魅了されます。カリフォルニアの冷涼な産地から造られるワインはどれも軽やかで、フレーヴァーのニュアンスが豊かで、身が引き締まるような酸が特徴的です。そのスタイルの最も代表的な品種がリースリングです。リースリングは、育つその土壌の個性、品種そもそもが持つ魅力、パワー、フォーカス、美しさがワインに伝わる唯一無二の白ブドウ品種です。

2003年、リースリングに魅せられたグラハムは、オーストリアでも指折りのドライ・リースリングの造り手「Emmerich Knoll」に師事し、4度の収穫を経験し、アロマティック品種のノウハウを培います。そして、Knoll家はグラハムの2つ目の家族みたいな存在になり、オーストリアの土着品種と呼ばれるグリューナー・フェルトリーナーの魅力も教わりました。

2008年の帰国後は、2つの単一畑のリースリングを皮切りに、自身のワイナリーとなる「タトーマー』を設立し、グリューナー・フェルトリーナーの栽培も開始しました。タトーマーのモットーは現在市場に出回っている「やや辛口」のスタイルではなく、「極辛口」のワインを生産することです。年間生産量はわずか1,100ケースで、今後はデイリーで飲める価格帯のリースリングの出荷を予定しています。

グラハムは2014年にアメリカの全国紙「San Francisco Chronicle」に「今、最も注目すべき生産者として」フィーチャーされ、カリフォルニアにおけるアロマティック品種の先駆者的存在です。